このたび、大分県排泄リハビリテーション・ケア研究会の代表世話人を拝命いたしました大分大学医学部腎泌尿器外科学講座の
はじめに、この場をお借りして、これまで本研究会の設立・発展に多大な貢献をしてこられた前共同代表世話人の三股浩光先生、宮﨑英士先生をはじめとする世話人の皆様や関係者の方々に厚く御礼申し上げます。
本研究会は、排泄(排尿・排便)障害に対する医療・介護・福祉などの課題を包括的に議論し、各領域の情報交換を促進し、知識の共有、技術の向上を図って、一貫した支援体制を構築することを目的として、2012年9月に設立されました。
本研究会の特徴のひとつは、医師・看護師・理学療法士・作業療法士・介護士・介護福祉士・医療事務など多職種が参画している点にあり、多種多様な排泄に関わる課題を、それぞれが専門的な視点から検討し、皆で協調して、問題解決へと導いていくことを目指しております。2022年3月末までに、17回の研究会と13回の事例検討会を開催してまいりましたが、排泄(排尿・排便)障害に関するこうした多職種協同による包括的かつ実践的な取り組みは全国的にもまだ少なく、本研究会の活動は先進的な取り組みとして注目されてまいりました。
さて、超高齢社会を迎え、生活の質(Quality of Life)に密接に関係し、一人一人の高齢者の尊厳にも影響を及ぼす排泄(排尿・排便)の問題は、今後ますますその重要性、解決へのニーズが高まっていくものと確信しております。本研究会がこれまでに培ってきた多職種連携の体制をさらに発展させるべく、ぜひ次世代を担う多くの関係者の皆様の積極的なご参加をお願い申し上げます。
平成24年9月に産声をあげた本研究会は、大分県における医師・看護師・リハビリテーション・介護福祉職から成る包括的な排尿リハビリテーション・ケアを目指す研究会として順調な歩みを続け、本年10月には第3回目の研修会を迎えようとしています。
医療福祉従事者が実践現場で遭遇する身近な課題と真摯に向き合い、それぞれの職域を超えた研究や実践の成果を報告し検討し合うことにより、回を重ねるごとに充実した研究会へと成長しつつあります。
第2回では、メンバーの要望に応え、「おむつ」に関する講習会も催され、大変好評でした。この講習を機に、オムツを上手に当てるだけでなくオムツを科学すること、すなわち、オムツはずしやオムツの形態・材質の検証を行い、QOLを高める排尿ケアのエビデンスを探求する活動も各施設ですでに始まっています。
今後は、本研究会の命題でもある「生活場面での排尿リハビリテーション」について、リハビリテーションチームによる講習会も計画されています。その他、専門知識を高めるための「レクチャー講演」や「排尿アセスメント」など、シリーズでのメニューも多彩です。
HPの開設により、過去の活動の情報提供だけでなく今後の活動の早期伝達、排尿リハビリテーション・ケアに関する多面的な情報収集および意見交換の場として、また実践・研究成果の発信基地として活用されることを心から願い、その実現に努めたいと思います。